【セットレビュー】[8681]タイニーターボ全盛期。チューナーガレージ
2006 #8681 Tuner Garage
当ブログでは度々名前が挙がっているシリーズ「タイニーターボ」。今回はその名セットを振り返りつつ、今のレゴラインナップからは失われてしまったある種の精神を垣間見ていこうと思います。
タイニーターボは、レーサー・シリーズの中でさらに区分けされている小さい車のシリーズです。登場はスポコン文化の影響下にあった2005年。レーサー5スポークホイールが登場したことでも、4幅車ビルダーにとっては大きな存在です。新造形のパーツ群はもちろん私たちに多大な恩恵をもたらしてくれました。しかしもっと注目なのはこのシリーズが、アメリカ的なストリート文化を色濃く反映していたということです。

夜の街をイメージしたパッケージは、まるで映画の世界のようです。派手なペイントを施された改造車、カスタム用のパーツ、壁の落書きなど、ストリートレースの雰囲気がムンムンと漂ってくるセット内容はワクワクしてきます。そして制限速度表示にパトカーが付いてくるなど、「違法行為」を強くイメージさせるものとなっています。今でも警察のセットはありますが、レーサーシリーズの場合は、無法者であるストリートレーサーが主人公となっている点が大きく異なります。このセットがとりわけクールである所以でもあるのです。

パッケージの裏面。余りパーツを使って車をカスタムできるということが示されています。またパンチで車を発射してレースができることも分かります。

思ったより大きなセットだったので驚いたのですが、ブロックを全て出すとこれだけの分量になります。ダークグレーの小さいベースプレート3枚の上にガレージを組み立てます。建物用の大型パーツも多数含まれています。

レーサーシリーズで私にとって目玉なのがこのシールです。4幅車用のグラフィックシールは、自分のオリジナル作品へ転用するために貼らずに取っておきます。看板などに使うロゴも、他のシリーズにはないクールなデザインです。

まずは車から作っていきます。1袋目は上のような内容。黄緑色はまだまだ珍しい色で、車フェンダー、そしてプチスロははこの年に黄緑初登場となっています。気になるホイールは前年登場の5スポークと、黒のワイドスリックで、どちらもタイニーターボでは定番化していくものです。

ストリートレーサーとトラックが組みあがりました。黄緑色のチューニングカーは、当時としてはかなり新鮮なものであったでしょう。黒成分多目ですが、シールを貼るともっとそれっぽくなります。トラックの方は白の車軸が良い雰囲気出してますね。またこの頃のセットは、プチスロが余りパーツになっていませんでした。余りはシルバーの丸ポッチのみです。

2袋目です。車フェンダーや黒のブラケットなど、4幅車ビルダーとしては嬉しいパーツ構成です。このセットには黒のブラケットが10個入っています。また5スポークホイールが2台分8本追加です。セット全体では16本の5スポークホイールが含まれるなど、嬉しすぎる内容となっています。

パトカーとストリートレーサーができました。レーサーはタイニーターボとしては珍しく風防パーツが使われており、オープンカー仕様となっています。パトカーも5スポークで格好よく決まってますね。

そしてこのパトカーなんですが、説明書上ではメッキなしの5スポークとなっています。パッケージ上のCGイラストでも黒の5スポークが使われていたため開ける前に少し期待していたのですが、実際には全てメッキ有りのホイールでした。ブリックリンクを見ても、メッキなしの5スポークは入っていないようでした。ちなみにメッキなしの黒い5スポークホイールは、一応存在はしているようです。


先の車の袋は1番、2番と数字が振ってあったのですが、残りは全て付番なしでした。長い基本ブロックや柱パーツは建物をハリボテで作るために使います。タイニーターボの建物は白が基調となるものが多いです。やはり4幅車的にも美味しいパーツが多数含まれています。このセットで手に入るタイヤ&ホイールは合計30セット、7.5台分です。タイヤのバリエーションも豊富ですし、車を作りたい人にはピッタリですね。

バラバラのパーツから5台目の車ができました。グリルとエンジンパーツを使ったホットロッドは、タイニーターボではよく登場する形のものです。水色の炎はNOS噴射のイメージでしょうか。

あとは建物を作っていきます。小さめのベースプレート3枚を連結して使います。

目玉のギミックとなる発射装置です。テクニックパーツと輪ゴムが使われています。

発射装置部分を作るとこんな感じです。本当はテクニックシャフトの頭にパンチ用のパーツを取り付けます。勢い良くパンチすると、意外とスムーズに車が発進します。ゴムは発射のためというよりも、発射装置がスタート位置に戻るためのバネとして働いています。

そして完成。シールは看板と標識のみ貼りました。これだけでも雰囲気はだいぶ出たと思います。チェッカーフラッグは両面プリントされたものが入っています。車5台と建物はどれも雰囲気の良いもので、現在のラインナップにはない味わいがあります。

看板として乗っているホットロッドは実は固定されていません。チェック模様のタイル張りの上に乗っているだけです。ここには好きな車を乗せてよいということでしょう。

ショップの正面にはカスタム用のパーツが展示されています。どれもレーサーシリーズが発祥の、車用パーツばかりですね。ホイールの展示の仕方がナイスだと思いました。

裏から見ると、リフト付きのガレージとなっています。リフトはくるっと回して収納可能ですが、上下の稼動はありません。建物はハリボテですが、タイヤが積んであったりして雰囲気は結構出ています。

思ったより良い内容のセットだったので、ちょっと高かったですが買ってよかったです。現在のレゴのラインナップはとても充実していますが、このセットのようなストリート感はかなり薄れてしまいました。アメコミ系シリーズに辛うじてその空気を感じることができる程度です。00年代のスポーツや、バイオニクル、レーサーなどのシリーズは「クール」なレゴとしてとりわけ魅力的に見えてしまうわけです。
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