カスタムカーが町をジャック。H2Oi | SchwaaFilms
いまどきは世界のどこかで行われているローカルなイベントでも、ネットの動画を通じてその様子が配信され、世界的に注目を集めるようになっています。その最たる例がここに紹介するH2Oiです。
H2Oというのは皆さん学校で習ったように水という意味、"i"はInternationalの頭文字です。H2Oiはアメリカの東海岸で行われるVAG(VWとアウディ)のカーショーイベントです。水冷VWのイベントだからH2O、かと思いきやこのイベントが始まった頃にはシーンの中心はまだ空冷VWだったようで、そのネーミングに深い意味はないようです。しかし現在ではユーロの中心はもちろん水冷であり、また近年のH2Oiは毎回強い雨に見舞われていることから、結果的には実態と見合った名前になりました。
さてこのイベントへの注目度は年を追うごとに大きくなっています。動画サイトを見れば多くの人がH2Oiの動画を上げて、その様子を世界に発信しています。ただし取り上げられている様子のほとんどはH2Oiのメインイベント会場ではなく、その近くにあるオーシャンシティのストリートです。このH2Oiにかこつけてやって来たたくさんのカスタムカーが町に集まり、いたるところでミーティング状態になっているのが今のH2Oiの実態です。
動画の冒頭ではかなりローダウンされたサイオン(86)がレッカー移動されています。ストリートのミーティングは当然無許可で行われており、違法行為や違法改造の取り締まりによって多くの車がパトカーに止められているのが動画にも映されています。フロントガラスに貼られている文字はキャンバーギャングで、スタンス文化の中で世界的に注目されているクルーです。その名の通りに強烈な鬼キャンが特徴です。
H2Oiそのものはユーロイベントですが、ストリートに集まる車にはジャンルのボーダーはありません。しかしメインとなるのはユーロやJDMなど輸入車のようです。このランエボが走っているメインストリートでは多くのギャラリーがカメラを構えて待ち構えており、色々な動画で見ることができます。
仲間の車なのか、ストリートで見つけた車なのか、動画では何台かのカスタムマシンがフィーチャーされて美しい撮影が行われています。こちらのポルシェ911も派手なものではないですが、ホイールなどがモディファイされています。最近のポルシェはある種の堅苦しいイメージが薄れ、ストリート的なアプローチでカスタムされた車がこういったイベントでも見られるようになりました。
バカ騒ぎは昼夜を問わず、またあらゆる場所で行われています。この動画を見ても撮影のロケーションは多岐に渡っており、会場を限定して行う通常のイベントとは異なった雰囲気を味わえます。
やらかしている様子もたくさん見られます。道路や駐車場でバーンナウトにドリフトなどをお構いなしにやっています。アメリカならこんな遊びも自由にやっていいのか!と思うかもしれませんが、非常にたくさんの車がポリスに捕まっているのも映し出されており、どこに行っても行いには責任がつきまとうことに変わりはないようです。
20分に渡る動画でH2Oiの様子を映し出していますが、H2Oiのメイン会場は一度も登場していません。もちろんここに映し出されているのはH2Oiという大きなムーブメントの一部に過ぎず、他の撮影者が上げている動画ではまた異なったロケーションや車を見ることができます。巨大で雑多で一筋縄では把握しきれないイベントであり、SNSで相互につながり合う現在のカーシーンをそのまま現実に持ってきたかのようです。注目されるのはそんないまどきらしいスタイルに魅力があるのかもしれません。
- 関連記事
-
- DUBって何だろう?アメリカ最大のドレスアップカーショー
- ポルシェ痛車で痛車天国参加しました
- カスタムカーが町をジャック。H2Oi | SchwaaFilms
- Straight Outta Compton:ストリートカルチャーとローライダー
- 2016年、ルマンで何が起きたのか?
スポンサーサイト